自然素材を用いる「草木染」

染色

染色は、染料を使用して繊維や布地に色を付け、素材に色を定着させて様々な色合いやデザインを作りだす技法です。有名なものでは「藍染め」や「絞り染め」などがあります。

長野県の主な染色工芸品としては「信州手描友禅」があげられ、全国的にも珍しい草木染め友禅を特徴とします。染料には、自然の草や木の樹皮などを煮出して使用するため、優しい色合いが特徴です。

自然素材を用いる「草木染」

信州は自然の宝庫で身の周りには野草や木々、果物などがあふれており、それらを染料として用いた染色を「草木染」といいます。

藍やリンゴなど、色を取り出すための素材を集め、煮出して理想とする色合いまで煮詰めると「染液」になりますが、実際に布を染めることができる染料にするためには媒染剤(ばいせんざい)を入れます。

布に色を定着させて色あせを防ぐのが媒染剤の役割で媒染剤にはアルミ系や酢酸、鉄などがありますが、それらもすべて自然素材です。

できあがった染料に布を浸け込んだ後、ぬるま湯ですすぎ、日陰干しで乾燥させれば草木染の完成です。

草木染の信州ものづくりマイスター
林部貢一氏

藍染

りんごの木の皮を使った草木染
ソルガム(穀物)を使った草木染